検察官や警察官による不適切な取り調べが近年、相次いで明らかになっています。きっかけの一つとなっている「取り調べの録音・録画」について、解説します。

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 Q 取り調べの録音・録画とは。

 A 警察や検察が容疑者を逮捕して取り調べをするときに、その一部始終をビデオカメラなどで記録することだ。検察の場合、執務室の隅や、容疑者の顔をアップでとらえられる位置にカメラを備え付けることが多い。

 Q どういう経緯で始まったのか。

 A 密室での強引な取り調べがうその自白を生むとして、弁護士を中心に導入を求める声は1990年代からあった。議論を本格化させたのは2009年に始まった裁判員制度だ。市民から選ばれる裁判員は参加時間が限られる。そんな裁判員の前で、きちんとした証拠もなく「脅された」「脅していない」という水掛け論はやっていられない。

 ちょうどその頃、栃木県足利…

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