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水害ごとの浸水想定区域の作成割合

 大雨で河川が氾濫(はんらん)した際に浸水の恐れがある地域に住む人は、全国で約2594万人(2020年)と、過去20年間で約90万人増えたことが朝日新聞のデータ分析で分かりました。浸水の恐れがある地域はどのように指定されているのでしょうか。Q&A形式で解説します。

 Q 洪水(こうずい)浸水(しんすい)想定区域とは?

 A 河川の氾濫(はんらん)で、住宅などが水につかると想定されるエリアだ。河川を管理する国や都道府県が指定する。もともと「100年に1回程度」の大雨を前提(ぜんてい)に指定していたが、それを上回る大雨が多発し、2015年からは想定し得る最大規模(きぼ)の降雨(こうう)(千年に1回程度)を前提に、指定することになった。こうした区域(くいき)に避難(ひなん)所の位置情報などを重ねたものが洪水ハザードマップだ。

 Q 全ての河川が対象?

 A 国内には3万以上の河川がある。洪水浸水想定区域は01年の水防法改正で導入(どうにゅう)されたが、当初は大きな河川が対象だった。ただ、中小規模の河川でも洪水が相次いだため、21年に法改正し、それまでの約2千河川に加え、住宅などが周辺にある約1万5千の中小河川も対象になった。国は25年度末までにエリア指定するよう都道府県に求めているが、24年3月末時点の達成率(りつ)は半数ほどにとどまっている。

 Q 他の水害でもエリアの指定はある?

 A 雨量が下水道などの排水…

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