連載「子どもとSNS」

 SNSは若者に有害な影響を及ぼすのか? 世界中の保護者が悩むなか、オーストラリアは16歳未満のSNS利用を法律で禁じることにした。一方、「企業の責任」を問う動きを強めているのが欧米の国々だ。自殺を助長したなどとしてSNSの運営会社を相手に裁判を起こし、法的責任を求める動きが相次いでいる。

 ドイツとの国境の町、フランス・ストラスブールに住む高校生の女性(17)は、ショート動画が次々と再生される動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を使い始めて3年。これまでに6回自殺を試みた。

 視聴していたのは、長くても1日1~2時間程度。「それでも依存的になるには十分だった」と母のモルガン・イェンさん(50)は言う。

写真・図版
今でもティックトックを開いてしまうという女性=2024年12月11日、仏ストラスブール、牛尾梓撮影

記事の後半では、SNSが及ぼす影響が明確ではないなか、教育現場や政府の手探りの現状を伝えます。

 曲に合わせて踊るパンダのア…

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