「SIMカード枚数ぶん稼げるチート級案件!」「即金5万円」
X(旧ツイッター)上には、こんな誘い文句の投稿が目立つ。SIMカードを契約し、譲り渡せば報酬をあげる――。こうした依頼は「SIM案件」と呼ばれる「闇バイト」の一種だ。
記者は10月、XでSIM案件の投稿者にダイレクトメッセージを送った。すると、別の人物とLINEでやり取りするよう返信があり、LINE上で「仕事」の説明が始まった。
約10個の格安SIMをネットで契約した上で、複数の店舗でスマホを契約する。入手したSIMカードとスマホを郵送するという内容だ。報酬は4万円と説明された。
携帯代の滞納状況や居住場所、クレジットカードの有無を聞かれ、顔写真付きの身分証も求められた。午前9時半から午後7時まで稼働できる日程のほか、「店舗に事前予約が必要」として電話番号も聞かれた。
「サクラのバイトみたいなもの」
犯罪ではないのかと尋ねると、相手は「もちろん犯罪等ではないですよ。店舗には月のノルマがあるので、そこを埋めるためのサクラのバイトみたいなもの」と説明した。さらに電話での会話を求められ、若い男性とみられる声で「最初は不安だと思うが僕も1回やっているので安心してください」「携帯会社から頼まれているので大丈夫です」などと語った。
「仕事」を断った後、記者であることを明かして取材を申し込んだが、LINEは既読にならなかった。
捜査関係者によると、譲り渡したSIMカードは、特殊詐欺で被害者との連絡や、犯罪グループ内での連絡用の「道具」として使われるケースが多いという。
首都圏を中心に8月以降相次…