GX実行会議で発言する岸田文雄首相(手前から2人目)=2024年5月13日午後6時38分、首相官邸、岩下毅撮影

 政府は13日、「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を進めるための新しい国家戦略の策定を始めると明らかにした。2040年を目標にした脱炭素や産業政策の道筋を示すもので、原発を含めた脱炭素電源の確保策や、温室効果ガスの排出量取引の本格導入に向けて具体的な制度づくりに取り組む。

 この日開いたGX実行会議で、「GX2040ビジョン」を策定すると示した。それによると、デジタル化が進むことで、国内に大規模なデータセンターや半導体工場を設ける動きが強まり、今後は電力需要が増加に転じると指摘。そのうえで、再生可能エネルギーや原発などの脱炭素電源の投資を促す仕組みや、送電線網の整備手法について具体策を練る。

 また、脱炭素電源を使う産業を地方ごとに集約させて、エネルギー利用の効率化をめざす。経済産業省の畠山陽二郎・産業技術環境局長は「電気が足りないから投資できない、というミスマッチは避けたい」と話す。

 政府はこれまで、省エネ技術が進むなかで人口が減ってゆくため、電力需要も減っていくとしてきた。だが方針を転換し、新しい電源構成のあり方についても検討する。今年度は「エネルギー基本計画」を見直す時期にあたり、年度末に向けて議論を深める。

 また、政府は温室効果ガスの…

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