東京都内の銭湯で2月、男子生徒を盗撮したとして警視庁の事情聴取を受けた在日シンガポール大使館の参事官の男(55)が、警察署への同行を拒否した事件で、警視庁は13日、男を性的姿態等撮影や建造物侵入などの容疑で書類送検し、発表した。男は9日に出頭要請に応じて来日し、事情聴取を受けていた。警視庁は検察に起訴の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けた。13日中に略式起訴される見通し。
少年育成課によると、参事官の男は2月27日夜、東京都港区の銭湯の男性脱衣所で、スマートフォンを使って未成年の男子生徒の裸を撮影した疑いがある。スマホ内には多数のわいせつ画像が保存されており、「20~30枚を自分で撮影した」と容疑を認めているという。「日本の銭湯文化に驚いて風呂に興味を持った」とも供述しているという。
男は事件当時、駆けつけた警察官の任意の聴取に盗撮行為を認めたが、警察署への同行は拒否し、その場を立ち去っていた。4月12日付で任を終えたとしてシンガポールへ帰国し、警視庁は外務省などを通じて男の出頭を同大使館側に要請していた。その後、男は出頭要請に応じる形で6月9日に来日。警視庁の聴取を受けていた。男は再来日した理由について「反省し、自分の意思で来た」と話しているという。
同大使館ホームページによると、男は当時、大使館で幹部にあたる総務・領事参事官だった。捜査関係者によると、現在は外務省の職員という立場だという。(御船紗子)