さっぽろ雪まつりのすすきの会場に並ぶ氷像。ライトアップやネオンで輝く幻想的な世界が広がる。外国人観光客の姿も多い=2025年2月4日夜、札幌市中央区、原知恵子撮影

 訪日外国人客(インバウンド)の回復でホテルの予約がとりづらくなっている札幌市で、民泊市場が過熱している。タワーマンションの増加や大手ディベロッパーの参入で2024年の市内の新規届け出物件は517件で、2018年の住宅宿泊事業法施行以来、過去最多を記録した。ただ、人手不足や宿泊人数の過少申告など新たな課題も浮かび上がっている。

 4日に開幕したさっぽろ雪まつり。11日までの8日間で、国内外から200万人を超す来場者が見込まれ、雪が目当てのアジア系外国人も多い。札幌市は冬場よりも夏場の宿泊者が多いが、こと外国人に限ると、冬場の方が多いため、インバウンドをターゲットにする民泊事業者が多い。

 シトンガーデンのブランド名で、市内で16物件の民泊を展開するエフエーの天内和幸社長は「ここ2、3カ月はほとんど空き室はない」と話す。十数人が宿泊できる大部屋は1泊20万~30万円。大家族で旅行する文化がある中国や韓国、台湾などアジア圏の外国人が主要客層だ。外資系ホテルのスイートルームがライバルという。事業を始めた2019年にコロナ禍が発生して経営難に陥ったが、賃貸住宅を併設する形で乗り切った。23年ごろから客足が回復し、延べ宿泊者数は3万人を超えた。「1人あたりに換算すれば2万~3万円になるので、ホテルに比べて割安とはいえないが、民泊市場はまだまだ拡大する」と期待を込める。

 昨年、新規届け出が最多にな…

共有
Exit mobile version