高校授業料の無償化や、所得税の課税最低ライン「103万円の壁」の引き上げなどを反映した新年度当初予算案の修正案が4日、衆院を通過した。私たちのくらしは、どう変わるのか。

  • 当初予算案が衆院通過、自公維の賛成多数に 成立確実、年度内目指す

高校無償化、所得制限を撤廃

 修正案には、文部科学省関連で三つの施策が追加された。

 一つは、高校の授業料の無償化だ。

 今の制度は、①年収590万円未満の世帯に上限39万6千円②年収590万円以上910万円未満の世帯に上限11万8800円――を国が支援している。

 これを、新年度は②の所得制限を撤廃し、高校などに通う全員が上限11万8800円の支援を受けられるようにする。新たに約1千億円が予算計上された。

 二つ目は、農業高校や工業高校など専門高校の施設整備の拡充だ。実習などのための施設費を増やす。

 高校無償化について、政府は2026年度に①の上限を45万7千円に引き上げて所得制限を外す方針。私立人気が高まると予想される一方、公立が大半を占める専門高校が生徒を集めにくくなるなどと国会質疑でも指摘された。

 施設整備費の上積みでこうした声に配慮する狙いがある。予算に10億円を追加した。

 このほか、低所得世帯向けの返済不要の給付型奨学金も拡充。給付金額を一部で引き上げ、教科書代や制服代など授業料以外の学校教育費の支援を厚くする狙いがある。計上済みの予算に5億円を積み増した。

 修正額の大半は、高校無償化…

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