静岡県知事選の構図

 静岡県の川勝平太知事(75)の辞職に伴う知事選が9日告示される。自民党が推薦する新顔と立憲民主党や国民民主党が推薦する新顔による与野党対決の構図となる。4月の三つの衆院補欠選挙で全敗した自民にとっては「背水の陣」だが、自民議員の不祥事続きで有権者からは厳しい視線も注がれる。

 自民党本部は告示前日の8日、ようやく元副知事の大村慎一氏(60)の推薦を発表した。県連は4月23日に党本部に大村氏を推薦するよう上申していたが、小渕優子選挙対策委員長が森山裕総務会長、茂木敏充幹事長と立て続けに面会し、推薦する方針を固めたのは7日だった。

 鈍い動きの背景にあったのは、立憲民主、国民民主両党が推薦する前浜松市長の鈴木康友氏(66)との与野党対決を回避したいとの思いだった。自民は4月の衆院トリプル補選で、二つは候補者を擁立できず、「保守王国」の島根1区では与野党一騎打ちに敗れた。その直後の知事選だけに、負ければ岸田政権の低迷がさらに印象づけられる。

 実際、自民の置かれた現状は…

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