現場へ! 伝統芸能をつなぐ②
伝統芸能を続けるうえで懸念されるのが担い手不足だ。対策はあるのだろうか。
5月3日に長野県大鹿村で開かれた、「大鹿歌舞伎」(重要無形民俗文化財)。村民たちが役者として舞台に立つ会場のあちこちに、蛍光色のベストを着た人の姿があった。見ると、背中には大きく「南信州民俗芸能パートナー企業」の文字が。
県南信州地域振興局の主導で2016年から始まったパートナー制度には県下の100超の企業が登録。企業は従業員の民俗芸能への参加を奨励し、従業員らは市町村から寄せられる民俗芸能行事のボランティア募集に個々に対応する。会場の片付けや警備、駐車場整理、記録撮影などで、これまでにのべ140人以上の参加があった。「民俗芸能団体からの定期的な依頼が増えてきたように思います」と同局リニア活用・企画振興課の宮川留奈主事(26)。
人口900人弱の大鹿村だが、春と秋に開催される歌舞伎の際には、それを見るために県内外から800人超が訪れる。
「舞台と観客が一体になれる…