自分の写真だけでなく、著作権が切れた名画も手頃な値段で販売する=埼玉県白岡市、篠田英美撮影

凄腕しごとにん 榎本高行さん(51)

風景専門店「あゆわら」 社長

 きっかけは、新婚旅行で訪れたタヒチ・ボラボラ島で撮った写真を、2005年に友人に見せたことだった。サンゴ礁でできた遠浅の海を切り取った構図で、「すごくうまい」と褒められた。フリーマーケットで売ってみると、ほとんど売れた。

 当時はIT企業のシステムエンジニアだった。技術を生かして「写真屋さん.Blog」というネットショップを開いた。自分の写真のほかに仕入れた写真や風景画も販売したところ、月10万円ほどの副業収入が得られた。

榎本高行さんが撮影した新婚旅行の写真=タヒチ・ボラボラ島、本人提供

 そのうち、「自分が好きなのは写真ではなく『風景』だな」と思うようになった。風景には、心に浮かぶ「情景」という意味もある。「風景の感動」を売るビジネスにしようと考えた。

 08年、特許庁を訪ねた。相談に乗ってくれた弁理士の助言を受け、「風景専門店」と「風景ビジネス」という二つの言葉を商標に登録して独占的に使えるようにすることにした。

6人が50万円ずつ出資してくれた

 そんな話を同僚や知人にする…

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