「ある程度、戻ってこられたというのは示せたと思います。本当は、区間賞で言いたかったですけどね」
駒大の佐藤圭汰(3年)が区間新記録の快走をみせた箱根駅伝7区で、もう1人の「怪物」が復活ののろしを上げた。
順大の吉岡大翔(2年)だ。
長野・佐久長聖高時代に樹立した、5000メートル13分22秒99の日本人高校記録はいまも破られていない。
ただ、鳴り物入りで進学した順大で、その自己ベストを更新できていない。
トラックでの停滞を引きずるように、駅伝でも苦しい走りが続いた。1年時の出雲は1区10位、全日本は3区14位、箱根も4区8位とピリッとしなかった。
今季はさらに苦しんだ。
5月の関東学生対校選手権(関東インカレ)の1万メートルでは、29分23秒19で25位に沈んだ。後輩の玉目陸(1年)に周回差をつけられる屈辱を味わった。
練習の強度は上がっているのに、高校の頃の自分を越えられない。その記録を上回れなかった大学1年の頃の自分も越えられない。
「こんなにきつい練習をして、何のために走っているんだろう」
大事なレース前に体調不良に…