横浜みなとみらいホール(横浜市西区)の小ホールで5月、あるオーディションが開かれていた。NHK交響楽団(N響)のメンバーによる弦楽五重奏の伴奏に合わせ、ステージ中央で堂々とバイオリンを奏でるのは、あどけない表情の子どもたち。18歳以下のコンチェルトソリストオーディション、その名も「金の卵を探しています。」だ。本選を勝ち抜いた小学4年生から高校2年生までの3人の合格者は、8月9日に同ホールで開かれるコンサート「金の卵見つけました。」でオーケストラと共演する。
「すごい奏者が生まれているんです」。こう話すのは、オーディションに携わるホールの菊地健一チーフプロデューサー(50)。10歳以下のX、14歳以下のY、18歳以下のZの3カテゴリーがあり、歴代の出場者には国内外で活躍する演奏家も多い。
若手の演奏家を発掘するために、N響メンバーらクラシック音楽の演奏家たちでつくるNPO法人「ハマのJACK」が2010年に始めた。もともとは別の会場で開いていたが、理念に賛同したみなとみらいホールが12年から会場を提供し、主催者にも加わった。
子どもたちはソロならうまく弾ける……
本選をアンサンブル(合奏)…