永尾剱神社の下にある岸壁からカメラを構える熊本県立宇土高校の科学部員=2024年9月3日午前0時29分、熊本県宇城市不知火町

 研究7年目にして、不知火(しらぬい)と見られる現象の観測に宇土(うと)高校科学部地学班が成功した。しかし、そこに高揚感はなかった。

 2日夜から3日未明にかけては八朔(旧暦の8月1日)で、宇城(うき)市不知火(しらぬひ)町では例年、「不知火 海の火まつり」が開かれている。1800発の花火打ち上げが終わった後、地学班は永尾(えいのお)剱(つるぎ)神社に集まった。

 宮司の丸目公一さん(51)は地元出身だが、肉眼で見たことはない。「いつでも見られると思っているうちに、見えなくなってしまった。高校生たちのお陰で可能性が出てきたし、最近、県外から訪ねて来る人も増えた」という。成功祈願に来た生徒たちにこの夜、おはらいをした。

 午前0時、観測スタート。ところが、対岸の明かりが多すぎて、どれが目標であるLEDライトを積んだ漁船か分からない。3隻の船長に電話をかけ、点滅や船の移動を頼んで、ようやく特定できた。

 ところが、今度はまぶしすぎ…

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