研究7年目にして、不知火(しらぬい)と見られる現象の観測に宇土(うと)高校科学部地学班が成功した。しかし、そこに高揚感はなかった。
2日夜から3日未明にかけては八朔(旧暦の8月1日)で、宇城(うき)市不知火(しらぬひ)町では例年、「不知火 海の火まつり」が開かれている。1800発の花火打ち上げが終わった後、地学班は永尾(えいのお)剱(つるぎ)神社に集まった。
宮司の丸目公一さん(51)は地元出身だが、肉眼で見たことはない。「いつでも見られると思っているうちに、見えなくなってしまった。高校生たちのお陰で可能性が出てきたし、最近、県外から訪ねて来る人も増えた」という。成功祈願に来た生徒たちにこの夜、おはらいをした。
午前0時、観測スタート。ところが、対岸の明かりが多すぎて、どれが目標であるLEDライトを積んだ漁船か分からない。3隻の船長に電話をかけ、点滅や船の移動を頼んで、ようやく特定できた。
ところが、今度はまぶしすぎ…