《わたしの折々のことば yurinasiaさん(上)》

 大きく広げた両手は、まるで翼のよう。

 日本初の女性弁護士をモデルとしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。そのオープニング映像では、時代も格好も様々な女性たちが、伊藤沙莉(さいり)さん演じる主人公・寅子(ともこ)を中心に、米津玄師さんの主題曲「さよーならまたいつか!」に合わせ軽やかに踊る。

 このダンスの振り付けを担当したのが、ダンサーのyurinasiaさん(31)。福岡県水巻町を拠点にダンス教室を主宰し、ポカリスエットやau、日清食品といった企業CMのダンス振り付けなどを手がけ、コレオグラファー(振付師)としても活躍する。

 「わたしの折々のことば」は、大切なことばにまつわる物語を語ってもらうインタビュー連載です。人口2万7千人ほどの福岡県水巻町を拠点に活動するダンサーのyurinasiaさんを3回に分けて紹介します。配信は2回目が8月25日、最終回は同26日で、いずれも午前9時の予定です。

 「虎に翼」は、中国の韓非子の言葉で、「強いものにさらに強さが加わる」という意味。寅子の「翼」は法律のようだが、yurinasiaさんにとっての「翼」は、ダンスだった。

 音楽好きの父と母のもとに生まれ、幼いころから音楽が身近にあった。自宅には、父が音響機器や設備にこだわってつくったオーディオルームがあり、父の声かけで家族みんなで音楽を聴く時間があった。

 ダンスはその延長だった。マイケル・ジャクソンやMCハマーのミュージックビデオを見ては、3歳下の妹とまねて踊った。

 「音に合わせて踊るっていう…

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