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薬剤師へのカスタマーハラスメントに関する調査結果について説明する(左から)東京都薬剤師会の宮川昌和副会長、高橋正夫会長、犬伏洋夫常務理事=2025年2月3日、東京都千代田区、藤谷和広撮影

 「薬がないなんてどういうことだ!」と怒鳴られたり、写真付きで「職務怠慢」とネットに書き込まれたり――。東京都薬剤師会(都薬)の調査で、回答した約7割の薬剤師がカスタマーハラスメント(カスハラ)を受けている実態が明らかになった。薬不足を背景に深刻化しており、休職や退職に追い込まれる薬剤師もいる。

 都薬による調査は初めて。昨年11月に実施し、全会員6641人中、489人(7.4%)から回答を得た。今年1月に結果を公表した。カスハラを「受けたことがある」と答えたのは338人(69.1%)、「見たことはある」は35人(7.2%)だった。

 最も多かったのは「暴言」で341件。次いで「謝罪などの執拗(しつよう)な強要」が142件、「金銭を投げ渡すなどの侮辱」が106件だった。執拗に電話をかける、備品を壊すといった行為のほか、性差別発言や盗撮もあった。

 カスハラのきっかけとしては「待ち時間」(115件)が最も多く、「薬剤師の説明」(105件)が続いた。3番目は「医薬品の入手困難」(90件)。いつ入荷できるかわからない状況を伝え、代替薬を提案したところ、「薬剤師なんだろ? 免許持ってんのか」と怒鳴られたケースもあった。

 マイナンバーカードと健康保…

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