「だいかい文庫」を運営する「ケアと暮らしの編集社」代表理事の守本陽一さん。店内には、一箱本棚オーナーの本が並ぶ=兵庫県豊岡市、林敏行撮影

 医師が処方するものといえば、通常は「薬」だが、最近では「地域とのつながり」「人とのつながり」を処方するのがトレンドだという。市民につながりや生きがいをもってもらい、健康や幸福度を向上させようというのが目的だ。「社会的処方」と呼ばれるこの取り組みを紹介する。

 兵庫県北部にある人口7万人強の豊岡市。野生のコウノトリの生息地として知られ、「城崎温泉」でも有名だが、高齢化や人口減少という課題も抱えている。

 1月中旬の土曜日、JR豊岡駅前から商店街を10分ほど歩くと、一面ガラス張りで開放的な建物の中に、ずらりと並んだ本が見えてきた。ここは「本と暮らしのあるところ だいかい文庫」という名のシェア型図書館兼ブックカフェだ。

 中に入ると、あらゆるジャン…

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