写真・図版
モスクワで2024年4月、会談に臨むロシアのプーチン大統領(右)とアゼルバイジャンのアリエフ大統領=ロシア大統領府提供

 カザフスタンでアゼルバイジャン航空機が墜落した問題をめぐり、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は29日、「航空機は過って撃墜された。事実隠蔽(いんぺい)の明らかな試みがあった」と述べ、ロシアを厳しく非難した。アゼルバイジャン国営テレビのインタビューをロイター通信が伝えた。

  • プーチン氏、統治能力に疑問符も 相次ぐ襲撃事件に高まる社会不安

 旅客機は25日、ロシア・チェチェン共和国のグロズヌイに向けて飛んでいた。ロシアのプーチン大統領は28日のアリエフ氏との電話協議で、「ロシア領空で悲劇的な事件が発生した」と謝罪し、当時、グロズヌイ周辺でウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃があり、防空システムで撃退していたと認めた。当局が刑事事件として捜査を始め、軍関係者の聴取を始めたことも明らかにしたが、ロシアの地対空ミサイルが原因だとは言わなかった。

 アリエフ氏はインタビューで、「航空機は(ドローン対策の)電子妨害を受けた上、グロズヌイへの接近中に撃たれた」と述べた。

 ロシアのインタファクス通信は、アリエフ氏が「すでに外部からの損傷でほぼ操縦不能になったと確認された」と発言し、「機体の多数の亀裂から、鳥の衝突説は完全に消えた」と主張した、と伝えた。また、「ロシアの公的機関がボンベの爆発説を唱えたのは残念だった。最初の3日間はロシアから妄言しか聞かなかった」などと批判したという。

■侵攻中の関係悪化、避けたい…

共有