館内のいたるところに積まれた「一箱本棚」。絵本や漫画、小説など様々なおすすめ作品が置かれている=2024年8月5日、兵庫県西宮市六湛寺町、真常法彦撮影

 子どものための図書館「たねとしずくライブラリー」が、兵庫県西宮市の阪神西宮駅北側に開館して、今月で1年がたった。「子どもが安心して自分の時間を生きられる場所」をめざしてきた。利用者は月150人に達し、支援の輪も広がっている。

 一軒家を借りて改装した建物の1階はキッチンと交流スペース、2階はおもに中高生の自習室になっている。読書をする子もいれば、料理をする子、何もしない子もいる。過ごし方は自由だ。

 館内には支援者が貸し出す「一箱本棚」が積まれている。幅38センチ、高さ38センチの本棚には支援者のおすすめの本や漫画、DVDなどが並び、子どもたちは自由に手に取ることができる。

 一箱本棚の支援者には、地域の人や活動の趣旨に賛同する人たち約60人が登録(要登録料)している。兵庫県立芸術文化センター・芸術監督で指揮者の佐渡裕さんもそのひとりだ。佐渡さんの一箱本棚には音楽CDや絵本、元ラグビー日本代表の平尾誠二さんの言葉を紹介した本「生きつづける言葉」なども並ぶ。

ライブラリーの開館は水・木・金曜の午前10時~午後8時(小学生は午後5時まで)。予約不要で無料(住所、氏名の登録が必要)。大人のみの見学は要相談。問い合わせは、たねとしずく(070・3998・0380)。

 運営するのはNPO法人「こどもサポートステーション・たねとしずく」。ライブラリーを拠点に、学習支援や家事支援、子ども食堂の運営などを続けてきた。

 大和陽子代表理事は「子ども…

共有
Exit mobile version