(左から)書泉の手林大輔社長、いろは書店の八木淳成さん、三省堂書店の亀井崇雄社長、東京堂書店神田神保町店の星野幸弘店長=2024年10月31日夜、東京都千代田区神田神保町

 本の街、東京・神保町に書店を構える書泉、三省堂書店、東京堂が、1月の能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市の書店を支援するチャリティーを企画した。能登半島の工房で作られたグラスとブックカバーを限定100セットで予約販売している。東京と能登。店を構える場所は違えど、地域と人をつなぐ書店を営む思いが、この企画につながった。

 10月31日夜、神保町で開かれた書店関係者向けイベントに、被災地で老舗書店を営む店主が姿を見せた。珠洲市の「いろは書店」3代目、八木淳成さん(51)。「震災からあっという間の10カ月。前を向いて動き出せば、周りも一緒に進んでくれる」。終始明るく、自身の被災体験を語った。

いろは書店の八木淳成さん=2024年10月31日夜、東京都千代田区神田神保町

 いろは書店は創業75年。1月1日の地震で自宅兼店舗が全壊し、約1万冊の本が埋もれ、だめになった。家族は無事で一安心し、「しばらく旅でもしようか」と思っていたという。

 しかし、2代目の父・久さん…

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