育休を取得したり、復職後も育児を主体的に担ったりする男性が増えています。育児と仕事の両立にはどんな課題があるのでしょうか。男性のジェンダー観とキャリアについて研究しているリクルートワークス研究所の筒井健太郎さんに聞きました。

  • 増える男性の育休、立ちはだかる男性上司の壁 「ダディトラック」も

――育児を担う男性が増えました。どんな背景がありますか。

 政府の「イクメンプロジェクト」が始まったのが2010年。これに先立ち、00年くらいから米国で「仕事と家庭は対立するのではなく、相互に高め合う関係になる」という考え方が広まりました。欧州でも「ケアリング・マスキュリニティー」(ケアする男性らしさ)という動きが起きました。この場合の「ケア」とは、一義的には育児を指し、欧州連合(EU)では政策にも組み込まれました。欧米における価値観の変化は日本にもじわじわ浸透し、男性の意識に変化を与えたと評価できます。これに政策や企業内での施策がかみ合い始めたのがここ数年です。

マミートラック、ダディにも

――いまの30代前後は特に価値観が変化しているように感じます。

 関西大の多賀太教授(ジェン…

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