果実の汁をえさとし、モモやウメ、ビワなどの果実を傷つけるカメムシが、香川県内で大発生している。県病害虫防除所は、早期の防除を求める「予察注意報」を出し、警戒を呼びかけている。
「今年は考えられない量が出ている」
府中果樹研究所(坂出市)の主席研究員、生咲巖(きさきがん)さんは、困惑交じりに話す。
カメムシは、主な陸生種に限っても国内に600種類以上いるとされるが、注意報の対象となったのは、チャバネアオカメムシやツヤアオカメムシなどの果樹カメムシ類だ。
主として山林に生息するが、えさが足りなくなると平地におりて果樹の汁を吸う。吸われた果実は傷んだり落果したりする。
防除所によると、4月第5半旬(4月21日~25日、半旬は5日間)の果樹研究所内の予察灯による誘殺数は、年平均(2.7匹)の約94倍(254匹)だった。
このため5月1日に予察注意報を発表したが、その後も大量発生が続く。同研究所での5月27日の誘殺数は1987匹で、1日だけで同時期(5月第6半旬)の平年値(27.0匹)の約74倍に達した。
全国30都府県で予察注意報、その原因は
果樹カメムシ類の大量発生は全国的な傾向で、農水省によると6月3日時点で四国4県を含む30都府県で予察注意報が出されている。
原因は何か。生咲研究員は…