奈良市埋蔵文化財調査センターは27日、同市の日本最大の円墳、富雄丸山古墳(直径約109メートル、4世紀後半)で出土した木棺の全体像が判明したと発表した。棺のふたと身(本体)に「縄掛け突起」と呼ばれる突起があったが、埋葬時に縄は掛けられなかったことが分かった。その用途を巡って議論を呼びそうだ。
同古墳北東の「造り出し」と呼ばれる突出部からは、全長2・37メートルにもなる長大な蛇行剣と、類例がない盾形の銅鏡が出土。木棺はその下から見つかった。
ふた、身に計8本の突起があったと推測
保存状態はきわめて良く、ふたは全体の約3割、身は約7割が残っていた。腐食した部分も、土に残った痕跡で輪郭が判明した。
調査を担当した柴原聡一郎技…