米国と中国は5月末に国防相会談を行うなど、関係改善を試みています。それでも、米ランド研究所のジェフリー・ホーナン上級政治研究員は「米中関係は改善していない」と指摘します。そのうえで、中国の脅威を抑止するため、日米などは、共同訓練の実施など様々な対策を取るべきだと訴えます。

 ――米国のイエレン財務長官やブリンケン国務長官らも中国を訪れています。

 米国は中国との意思疎通に努め、関係を管理しようとしていますが、本当に関係が改善されているとは思いません。中国は依然、自国のビジョンに基づき、力の拡大を目指しています。台湾や南シナ海を巡り、米国といくらコミュニケーションをしても、中国の姿勢を変えることができていません。

 ――中国は5月、台湾周辺で軍事演習をしました。

 演習には二つのメッセージが込められていました。中国共産党指導部は反逆者である台湾に強硬な立場で臨むというメッセージを中国の国民に送り、対外的には、台湾への武力行使を真剣に考えているというメッセージを送りました。

 中国は初めて台湾の離島のそばで、海警局の船舶による演習をしました。台湾を侵略、奪取する能力について真剣に考えている事実を示しています。

 ――ロイター通信は、米国と…

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