力投する千葉黎明の垣花奏樹=2024年10月7日、県、芹沢みなほ撮影

 (第77回秋季千葉県高校野球大会決勝、拓大紅陵7―8千葉黎明)

 千葉黎明の内野手がマウンドに集まった。九回表2死一塁。あと1点で追いつかれる。

 継投で登板した垣花奏樹(2年)は動揺していた。悪くないと思った投球を拓大紅陵の3番打者に2点本塁打にされた。八回に勝ち越したが、流れを取り戻せていない。

 捕手の川村力斗(2年)が励ましてくれた。「負ける未来が見えない。もっと笑え」

 垣花は次の打者に安打を打たれたが、川村を信じ6番打者に思いっきり投げた。初球が内野飛球に。主将で遊撃手の山本大我(2年)ががっちりつかみ、試合を終わらせた。

 野手も務め、秋は1~2イニングの投球が多く、長い回を任されることは少なかった。今大会、力んでしまい、打たれることも。仲間や監督から「思いっきり投げろ」と言われ、この日実践できた。

 走り込みやコースを狙った投げ込みを重ねた。「どの学校よりも練習をしてきた」自信があるから、最後に見せられた。

 秋は始まったばかり。関東大会の先を見据えている。(芹沢みなほ)

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