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「大曲の花火協同組合」の代表理事も務める小松忠信さん=2024年8月2日午前11時56分、秋田県大仙市、室矢英樹撮影
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連載「HANABI」第8部 未来へ紡いでいく(2)

 38年前の夏、花火師を紹介するテレビ番組が全国に中継された。リポーターが20人ほどの従業員に質問した。

 「さて、みなさん。5代目は、4代目を超えると思いますか」

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 だれ一人、手を挙げない。申し訳なさそうに、パートの女性がひじから先だけ曲げた。他はあさっての方向に顔を向けたままだ。

 入社間もない5代目の小松忠信(61)はうつむくしかなかった。

 ことし創業140周年を迎えた秋田県大仙市の「小松煙火工業」。歴史は古く、1933(昭和8)年に刊行された旧角間川町報「御巡幸史」はこう記している。

「社長の息子だからって、なんだ」

 烟火(えんか)を揚(あ)ぐ…

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