国際エネルギー機関(IEA)は16日、2030年までに世界の再生可能エネルギーの発電容量が現在の約2.7倍に伸びるとの見通しを公表した。20年代後半には需要のピークを超えた石油や天然ガスが余る可能性も指摘。ファティ・ビロル事務局長は「エネルギーの歴史において、石炭・石油の時代から、『電気の時代』へと急速に移行している」と述べた。

 公表された、24年の報告書「世界エネルギー見通し」よると、13~23年に世界のエネルギー需要は15%増加。一方で、発電に占める化石燃料の割合は82%から80%へ下がった。ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化によって一時的な変化はあるものの、化石燃料の需要は30年までにピークを迎えるという。

太陽光パネル

 それに対し、再エネの発電容量は現在のペースだと、30年までに現状の2.5~2.7倍程度に伸びるという。24年には、再エネに加えて原子力などを含む脱炭素電源(クリーンエネルギー)に化石燃料への2倍の投資額が集まる見込み。35年には世界の新車販売の5割程度を電気自動車(EV)が占めるという。

中国の影響力大きく

 ただ、昨年の国連気候変動会…

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