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不発弾を処理する壕(ごう)の中を確認する自衛隊員ら=2024年11月29日、沖縄県宮古島市

 その日の51便の運航が終わり、宮古空港(沖縄県宮古島市)に通じる道路では、観光客を送迎する車もまばらになった。2024年11月29日、午後8時半。空港周辺の道路9カ所で一斉に封鎖された。

 不発弾の処理が始まる。

 滑走路から約280メートルの畑で10月、英国製250キロ爆弾2発が見つかった。その1週間ほど前に、宮崎空港で飛行機の通過直後に爆発したのと同じサイズ。起爆装置にあたる「信管」もついていた。万が一に備え、鋼板製の容器や土囊(どのう)で囲って、保管されていた。

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畑で見つかった英国製250キロ爆弾

 封鎖前、隣のサトウキビ畑では、男性(85)が耕運機に乗り、手入れをしていた。

 「戦争で飛行場が攻撃されたからね。ここらへんは不発弾がよくみつかる。いま2発でしょ。去年は掘ってみたら5発出たさー」

 空港のある場所にはかつて、旧海軍飛行場があった。太平洋戦争中、宮古島は米英両軍による連日の猛爆撃と艦砲射撃で、ほとんどの集落が焼け、跡形もなくなった。

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爆弾を処理するため準備をする自衛隊員

 処理を担うのは、沖縄県内を管轄する陸上自衛隊第15旅団第101不発弾処理隊だ。

後半では、隊員が手動で起爆装置にあたる「信管」を取り除く様子を動画でお伝えします。

 約6メートルの「処理壕(ご…

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