
いよいよ、夢の舞台へ――。第97回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する壱岐(長崎)の選手らが9日、甲子園に向けて出発した。玄界灘に浮かぶ離島・壱岐にある県立高。出場を「100年に1度の奇跡」と喜ぶ島は、応援の準備で盛り上がり、「甲子園一色」の雰囲気となっている。
「皆さんを応援してくれる人はたくさんいる。スタンドの大声援を力に、思う存分、甲子園を駆け回って」
9日、壱岐市のホール前であった出発式。野球部OB会長で後援会長の川井智睦さん(59)が激励した。集まった保護者やOBら約200人は、強豪相手の勝利を期待する「下剋上(げこくじょう)」や「いつもどおりで大丈夫」と記した横断幕を掲げた。
市役所で募った市民からの寄せ書きも篠原一生市長から選手たちに手渡され、OBからは応援団風のエールが送られた。
全員が島出身の部員25人に大きな拍手が送られ、浦上脩吾主将が「しっかりと胸を張ってプレーしたい」。坂本徹監督は「試合まで時間がある。最大の努力をして、もっと成長した姿でプレーできるよう準備したい」と誓った。式の後、選手ら一行が高速船で郷ノ浦港を旅立つと、大漁旗を振る島民らがいつまでも見送っていた。
今後、岡山県での練習試合などで実戦感覚を養い、大阪の宿舎へ。大会3日目(20日予定)第3試合で、優勝候補の一角、東洋大姫路(兵庫)との初戦に挑む。
B’zのライブと同じ、島の盛り上がり最高潮
1月24日の出場決定から…