伊藤弘毅
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 酷暑期にさしかかったインドの首都ニューデリー郊外は、季節外れの雷雨だった。大学生時代に住んだ街に、16年ぶりに足を運んだ。会って話を聞きたい人がいた。

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 3月末、台頭著しい新興大国の次のかじ取り役を決める総選挙が始まるのを前に、東京からインドに向かった。経済の現状などを取材するためだ。

 砂漠に建設中の巨大再生可能エネルギー発電所や、商都ムンバイで日系企業が進める大規模都市開発。経済成長を象徴する場所に足を運んで記事にした。伸びゆく国に貢献している――。大プロジェクトに関わる人々の表情は充実感に満ち、まぶしいほどだった。

それでも、消化不良感が残った理由

 ただ、消化不良の感覚も残っ…

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