国際教育到達度評価学会(IEA)が2023年に実施した「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)の理科の結果をどう受けとめるのか。東京理科大理学部教授で理科教育を専攻する川村康文さん(64)に聞いた。
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小中とも有意にダウン
日本の理科の結果は、小学4年生が6位の555点で前回より7点減った。中学2年生は3位の557点で前回より13点減だった。算数・数学が前回と比べて有意な差がなかったのに対し、理科は小学4年生、中学2年生とも有意に下がっている。
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ただ小4の6位というのは微妙な順位だ。今回、例えば10位と大きく下がれば、あるいは次回、続けて順位が落ちれば、対策を考えた方がいいだろう。だが、現時点では、探究活動を重視する今の改革の方向に進むことが大切だと思う。
公表されている理科の問題のうち、日本の正答率の低さが目立つのは、小4で砂漠にすむ動物を6種類の動物からすべて選ぶ問題だ。
正答率は33・0%と国際平均の51.8%より約19ポイント低かった。「砂漠にすむ動物を学習していないためだ」と文部科学省は見ている。
■知識広げるのにアンテナ張っ…