新年を前に、夕暮れの東京・池袋は若者や家族連れでにぎわっていた。2024年12月31日。歩くのも難しいほどの人混みと、騒々しさを抜けた先に東池袋中央公園がある。そこには350人を超える行列ができていた。

 強風が吹きすさび、指先の感覚がなくなるような寒さ。多くが無言でそのときを待っていた。午後6時、一人ひとりにアジフライ弁当や果物が手渡されていった。生活困窮者を支援するNPO法人が無料で開いている「炊き出し」だ。

 「抵抗感はあったけれど、生活が苦しくて」。近くに住む女性(30)は1カ月前に体調を崩し、正社員の職を失った。

 貯金がみるみる減っていく大…

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