米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)のイベントに参加したパラ陸上のジャリーン・ロバーツ選手(右から2人目)ら=2024年4月、ニューヨーク、遠田寛生撮影

 五輪が終わって、「燃え尽き症候群」になった――。パリ五輪に挑むアスリートの中には、こんな告白をする選手が少なくない。トップアスリートの3割以上が不安や抑うつの症状を訴えるという調査もあり、スポーツ選手のメンタルケアは大きな課題となっている。

突然練習できなくなり、家にこもる

 「東京五輪の後、燃え尽き症候群になってしまいました」。トライアスロンの小田倉真選手(30)は振り返る。

 五輪を目指してつらい練習に耐えてきた。ところが、本番では「途中棄権してしまったらどうしよう」など、ネガティブな考えが頭を占め、ほとんど記憶がない。個人19位の成績に終わった。

 五輪後も異変が続いた。

 練習拠点のプールで、隣のレーンで一生懸命練習している子供たちを見ていると、「自分は今、何をしようとしているんだ?」と突然つらい気持ちに襲われた。

 プールにつかっているのが耐…

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