五輪が終わって、「燃え尽き症候群」になった――。パリ五輪に挑むアスリートの中には、こんな告白をする選手が少なくない。トップアスリートの3割以上が不安や抑うつの症状を訴えるという調査もあり、スポーツ選手のメンタルケアは大きな課題となっている。
突然練習できなくなり、家にこもる
「東京五輪の後、燃え尽き症候群になってしまいました」。トライアスロンの小田倉真選手(30)は振り返る。
五輪を目指してつらい練習に耐えてきた。ところが、本番では「途中棄権してしまったらどうしよう」など、ネガティブな考えが頭を占め、ほとんど記憶がない。個人19位の成績に終わった。
五輪後も異変が続いた。
練習拠点のプールで、隣のレーンで一生懸命練習している子供たちを見ていると、「自分は今、何をしようとしているんだ?」と突然つらい気持ちに襲われた。
プールにつかっているのが耐…