東京都議会第3回定例会は25日、主要5会派による代表質問があり、小池百合子知事が3期目に入り初めての都議会に臨んだ。都知事選で掲げた公約について答弁で言及。「無痛分娩(ぶんべん)」の環境整備や災害時の避難所について新たな指針作りに取り組む考えを示した。
小池知事は7月の知事選で「世界で一番の都市・東京」の実現を掲げ、約50の公約を訴えた。
この日の答弁で、保育料無償化の対象を第2子から第1子に拡充する考えを表明。また「無痛分娩」について「出産した母親からあの痛みは二度と経験したくないという声などが寄せられており、都民の思いに応えていく必要がある」と強調。安全な提供体制の充実に向けて、医療機関の体制や機材の配備状況などの実態把握と環境整備に取り組む考えを明らかにした。
防災対策については、首都直下地震で約200万人の避難者が想定される避難所について、新たな運営指針を年度内に取りまとめることを明らかにした。能登半島地震で被災者が避難所に集中し、生活環境が悪化したことも踏まえ、雑魚寝の解消や温かい食事の提供、ペットとの同行避難などについての新たな指針を盛り込むという。
世界遺産登録を目指すとしている「江戸・東京の文化」については「江戸の象徴となるものを選び、海外での理解を広げるため、検討の場を立ち上げる」と述べた。専門家をまじえ、登録にふさわしい江戸の文化財などについて将来の保存の仕方を含めて検討し、国や関係機関とも協議を進める。小池知事は「様々な文化や生活様式、建物などを後世に引き継ぐことは現代を生きる我々の大切な役割だ」と強調した。
各施策の具体的な内容は「答弁以上のことは決まっていない」(各担当者)とし、今後、都庁内で議論が進められていく。(太田原奈都乃)