出入国在留管理庁は14日、紛争から逃れた人らを難民に準じて保護する新たな枠組み「補完的保護対象者」として、2024年に1661人を認定したと発表した。大半はウクライナ出身者だが、シリアやミャンマーなど5カ国計43人も含まれた。

 難民は「人種や宗教などを理由に迫害されるおそれがあり、母国から逃れた人」などと条約で定義される。難民認定率が低すぎるとの批判が国内外に根強くあるなか、難民には該当しないものの、母国の武力紛争などから避難した人を安定的に保護するために改正入管難民法で新設され、23年12月に始まったのが「補完的保護対象者」制度。難民と同様、「定住者」の在留資格が与えられ、就労の制限もない。事実上の難民受け入れ拡大との見方もある。

 23年は2人が認定され、今回は初めて年間の認定者数が明らかになった。24年の認定者1661人の国籍別内訳は、ウクライナ(1618人)のほか、シリア(17人)、ミャンマー(13人)、スーダン(11人)、アフガニスタン(1人)、ウズベキスタン(1人)だった。

スーダン出身の男性「高齢者介護の仕事したい」

 大阪府内で1人で暮らす30代のスーダン人男性を訪ねた。以前より表情が穏やかで、体は引き締まっていた。来日してから15キロやせたという。

 「ストレス、大きい。毎日、毎日、走った。いまは大丈夫」

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内戦のスーダンから日本に逃れて間もない頃の男性。支援団体のシェルターで。抱えたデイパック一つがすべての持ち物だった=2023年10月、大阪府内、浅倉拓也撮影

 内戦が続くスーダンから日本…

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