水俣病の患者団体と懇談する木村知事=4日、水俣市

 熊本県の木村敬知事が4日、水俣市で水俣病患者らの団体との懇談に臨んだ。水俣病問題の解決に向けて県が被害者団体との間で実務者の定期協議を開催することなど、団体側から受けた要求に応えていく考えを示した。ただ、国の制度にそった従来の対応方針を説明する県の姿勢に対し「国から派遣された知事ではないはずだ。もっと積極的に関わってほしい」と反発する声が相次いだ。

 5月に環境省が開いた意見交換の場で、患者側の発言が遮られた問題を受け、県として改めて団体の話を聞く機会をつくった。懇談会には、環境省や水俣市の担当者も出席した。

 団体からの共同要求に対し、県は事前に回答書を送った。この内容について水俣病被害者・支援者連絡会の山下善寛代表代行は、「消極的で後ろ向きな姿勢だ。当事者に寄り添う姿勢が薄い」と批判。他に、患者認定や補償が不十分なのは「県の努力が足りないからだ」と厳しい声も飛んだ。

 公害健康被害補償法(公健法…

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