写真・図版
水に入る水陸機動団の水陸両用車=2024年10月13日、長崎県佐世保市の崎辺分屯地、上沢博之撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 日本の島嶼(とうしょ)部の防衛、奪回を目的とする自衛隊の水陸両用作戦の拠点整備が、九州を中心に進められている。防衛省は、陸上自衛隊の水陸機動団と、海上自衛隊との「統合運用」強化へ向けた態勢の構築を目指す。

 水陸機動団は、他国の侵攻で島嶼部が占領された場合、上陸して奪回する部隊として2018年3月に新編された。

 団本部や、上陸して戦闘する二つの水陸機動連隊(各600人規模)などの主力が、長崎県佐世保市大潟町の相浦駐屯地にある。今年3月には、三つ目の水陸機動連隊が、長崎県大村市の竹松駐屯地に発足した。

 大分県由布市の湯布院駐屯地には、射程10キロ前後の120ミリ迫撃砲を射撃したり、航空自衛隊の戦闘機や海自の艦艇による攻撃を誘導したりという役割を担う同団の特科大隊がある。同県玖珠町の玖珠駐屯地にも、同団の戦闘上陸中隊が駐留する。

 部隊が分散しているのは、母体となった部隊や駐屯地の規模、特性、地域への配慮などが関係しているためだという。

 団の象徴的な装備は水陸両用車(AAV7)。運用する同団の戦闘上陸大隊の主力は、佐世保湾岸の佐世保市崎辺町の崎辺分屯地にある。

 水陸両用車は、1台につき水陸機動連隊の隊員ら20人余を乗せ、海面に浮かんでウォータージェットなどで進み、島へは履帯で上陸、走行する装甲車だ。

 同分屯地では、この水陸両用車を陸地から水面に浮かべて進退させたり、地上の障害物を乗り越えたりする操縦訓練が行われている。

 団の部隊や水陸両用車などの装備、物資を島嶼近くまで運ぶ任務は、海自が担う。ただ、現状には課題がある。

岸壁まで5キロ、夜間に水陸両用車を輸送

 水陸両用車を運ぶ輸送艦が接…

共有