アジサイの花で知られる臨済宗の名刹(めいさつ)・資福寺(仙台市青葉区)。
本堂わきの墓地の中ほどに、そこだけぽっかりと空いた区画がある。跡継ぎがこの先いないということで、一昨年秋、墓じまいになった。
千葉家之墓。ここには「民主憲法の父」が眠っていた。
明治初めの自由民権運動のさなか、進歩的な私擬憲法を起草したことで知られる千葉卓三郎(1852~83年)だ。
長く知られずにいたその草案は、1968年、東京・五日市町(現あきる野市)の土蔵で見つかったことから、「五日市憲法草案」と呼ばれる。
ひっそり行われたはずの墓じまいは、だから、ちょっとしたさざ波を引き起こした。
日本国憲法の先取りだった「五日市憲法草案」
卓三郎は、現在の宮城県栗原…