停戦や人質解放の交渉のさなかもイスラエル軍による攻撃は続いている=2024年5月5日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ、ムハンマド・マンスール撮影
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 イスラエルの攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ。戦闘開始から7カ月が経つなか、攻撃によるガザの被害の規模が国際機関のデータで浮かび上がってきた。戦闘が終結したとしても、ガザの復興がどうなるかは見通せない。負傷者であふれる病院では医療従事者が懸命の治療にあたるが、医療従事者や患者が攻撃の犠牲になるケースもあとをたたない。

 イスラエル軍が地上部隊の投入を予告している最南部ラファ。日が傾きかけるころ、爆撃音が増えてくる。ガザ全域からの避難民も含めて150万人が集結しているとみられ、テント生活も長期化する。時にテントに、また別の時には知人宅に。住民は家族単位で移動していることも多い。「家族は同じ部屋で寝ることにしている」と話す人たちが多い。

 電気があまりつけられず、小さい子どもが怖がるという理由もあるが、最近よく話に出るようになったのが「もし爆撃で死ぬなら、家族で一緒がいい」という言葉だ。冗談として語られ始められたことだが、今では笑ってそう話す人は少なくなった。実際、爆撃で建物が崩れた結果、家族ごと死んでしまうケースが繰り返されている。

経済損失は1兆円超、医療機関の機能不全が深刻に

 戦闘による被害の長期的な影…

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