福井市で1986年に起きた女子中学生殺害事件で、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(59)の再審開始を認めた23日の名古屋高裁金沢支部決定は、警察の証言誘導や、検察の「証拠隠し」といえる姿勢に厳しい言葉を投げかけた。
- 38年前の福井中3殺害、再審認める決定 「知人供述に誘導の疑い」
重視した一つが「事件の夜、血の付いた前川さんを出迎えた」とする知人(59)の供述を巡る捜査だ。
知人はその日付について「(歌番組の)『夜のヒットスタジオ』でいやらしい場面を見た日」と供述。検察側は公判で、放送日が事件の日だと主張していた。だが第2次再審請求で開示された捜査書類から、公判中の1989年1月の段階で、その日には放映されていない事実をテレビ局に確認していたことが判明した。
高裁支部は、「検察官は事実…