
原発の運転で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選びをめぐり、第1段階である原子力発電環境整備機構(NUMO(ニューモ))の「文献調査」に応募した北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長(75)は10日、11月の任期満了に伴う町長選に、7選をめざして立候補する意向を示した。町長選への立候補表明は片岡氏が初めて。
3月定例町議会で答弁した。片岡氏は「将来にわたって持続可能な街づくりに道筋をつけ、後進に道を譲る所存であり、引き続き全力を尽くす決意であることを申し上げる」と述べた。
片岡氏は町職員などを経て2001年に初当選。20年には、文献調査に伴う国の交付金に期待し、処分場選びの議論に「一石を投じる」として調査に応募。翌秋の町長選では反対派候補を小差で破った。
また片岡氏は、第2段階の「概要調査」に進むか否かを問う住民投票の実施時期については、NUMOから知事や町長へ示される「見解」や意見照会の時期が決まっておらず未定だ、とするこれまでの答弁を踏襲した。
寿都町では昨秋、近隣の神恵内(かもえない)村とともに国内で初めて文献調査が終わり、町全域が、試掘などに進む概要調査の候補地とされた。