ナガエツルノゲイトウ=環境省提供

 「地球上で最悪の侵略的植物」と言われる南米原産の水草「ナガエツルノゲイトウ」が、東北で初めて確認された。福島県いわき市で6月に見つかった。繁殖力が極めて強く、すでに広がっている他県では治水や農作業に支障が出ているところもあり、県は「何とか防除したい」と警戒を強めている。

 ナガエツルノゲイトウは、茎が1メートル以上伸びて数多く枝分かれし、根は土の中で50センチ以上になる。群生すると河口の排水溝を塞ぎ、琵琶湖(滋賀県)では排水ポンプが停止するなどの被害が報告されている。水田に侵入して稲に絡みつくと、稲が倒れて収量減につながる恐れがある。

 県によると、1989年に国内で初めて兵庫県尼崎市で定着しているのが見つかり、関東以西に分布していた。環境省は2005年に、生態系や農作物に被害を及ぼす恐れがある特定外来生物に指定した。再生力の強さに加え、水域でも陸域でも繁殖する特性から、侵略性の強さは際立っている。茨城県の新利根川流域では猛繁殖し、国、県、周辺市町、農業団体などが対策協議会を発足させる事態にまでなった。

 いわき市では6月、水田の水…

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