ウクライナ侵攻を受けて日本が自動車輸出を制限しているロシアで、日本の中古車への根強い人気が続いている。日本からの輸入が回復傾向に転じたほか、中国などを迂回(うかい)する「制裁逃れ」もあるという。ただ、制裁対象の人気車種を中心に価格が高騰し、利用者からは「制裁の廃止を」との嘆きも出ている。
- 「僕らは日本車が好き。政治は関係ない」 ロシア極東に名車が集結
日本中古車輸出業協同組合などによると、昨年10月のロシアへの輸出は前年同月比45・8%増の1万8525台。11月も同7・3%増となるなど4カ月連続で前年同月を上回った。国別の輸出先で首位になることもある。
ロシア極東のウラジオストク郊外に昨年できた中古車販売場「新しい自動車市場」では、ずらりと並ぶ約2千台のうち、いまも大半が日本車だ。
関係者によると、最近の人気は、エンジンの補助にモーターを使うマイルドハイブリッド車。新車は中国車が増えているが、「まだ日本車に乗りたい人が多い」という。
ただ、日本車の価格は高止まりし、制裁の対象になっている人気車種の場合、古い車でも価格が侵攻前の1・5倍前後になったと言われる。
■ロシア占領のウクライナ東部…