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JR長野駅前に貼り出された遺族名のコメント=2025年1月27日午前9時59分、長野市、小室浩幸撮影

 長野市のJR長野駅前で男女3人が襲われて会社員丸山浩由さん(49)が亡くなった事件で、丸山さんの遺族のメッセージが、現場付近の駅建物の壁面に掲示されている。

 メッセージは文書1枚に印字され、「献花をして下さる皆様へ」で始まる。丸山さんを悼む人たちに向けて、「この度は、故丸山浩由のために献花・供物等を頂き、大変ありがとうございます。故人に代わり、心より感謝申し上げます。皆様からの大きな温かなお気持ちを頂き、本人も安らかに旅立つことができることと思います」と記されている。

 遺族らの気持ちについては「私たち残された家族も、大勢の方の励ましやお力添えを頂き、故人の分まで精一杯生きていく大きな勇気を頂きました。本当にありがとうございました」と明らかにしている。

 その上で文書は「良きご縁に出逢い、短くも一瞬一瞬を大切に生きた故人のことを、どこかでふと思い出していただければ幸いです」と結んだ。

 JR東日本長野支社によると、事件後の23日午後1時ごろ~27日午前0時まで、現場付近には、献花台が設置され、多数の花などが供えられた。メッセージは長野県警を通じて遺族から託され、27日午前0時以降貼り出した。当面、掲示するという。

 26日夜、献花台には丸山さんを悼む人が次々と訪れ、手を合わせていた。駅ビルの飲食店に勤める50代女性は、事件当時、たまたま休みで家にいた。「もし時間帯が違ったら殺されてたかもしれない」との思いが募った。事件翌日以降、毎日手を合わせて「早く事件が解決しますように」と祈ってきた。容疑者の逮捕を受け、この日は「安らかに眠ってください」と心の中でつぶやいた。

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