日本から中国を訪問する際の短期ビザを免除する措置が、4年8カ月ぶりに再開される。中国側は、日本を取り残す形で欧州などのビザ免除措置を先行させてきたが、経済の停滞や国際情勢の変化が方針転換へ背中を押したとみられる。
日本への訪中ビザの免除は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行で打撃を受けた中国の観光業の振興などを目的に2003年に始まった。現地への行き来がしやすくなったことで日本企業の中国への投資も押し上げてきた。しかし、新型コロナウイルスの流行で中断していた。
中国は22年12月にゼロコロナ政策を大幅に緩和。入国制限を解除した後、コロナ禍前に日本と並んで対象だったシンガポールとブルネイへのビザ免除を再開。その後もフランスやドイツ、今月には韓国へとビザ免除の対象を拡大させた。中国人に対する相手国のビザ政策にかかわらず、中国側が免除を決めた国は29カ国に上っていた。
日本が取り残されたわけ
日本が取り残されたのは、コ…