大規模災害や感染症の蔓延(まんえん)など「想定外」の事態が起きたとき、国の地方自治体に対する「指示権」を、従来より広げるべきかどうか。
国の権限拡大を盛り込んだ地方自治法改正案が国会で審議入りした。政府は、コロナ禍で国と自治体の連携不足から混乱が生じた「教訓」を踏まえた改正と主張するが、自治体側からは「国と地方の対等な関係」が崩れることへの懸念などから慎重な審議を求める声も続く。
衆院での審議入りを受けて、全国知事会は10日、村井嘉浩会長(宮城県知事)らが松本剛明総務相らに法案に関する提言書を手渡した。国の補充的指示について、新型コロナへの対応を踏まえて「必要性は理解する」としつつ、「国と地方の対等な関係が損なわれるおそれもある」と指摘。安易な行使を防ぐため、国と自治体の事前協議・調整や、指示範囲を必要最小限にとどめるよう求めた。
村井氏は同日、報道陣に「現…