ベルギーの雇用制度について学ぶ受講者たち=2024年6月11日、ブリュッセル、牛尾梓撮影

 多国籍国家のベルギーでは、外国から来た長期滞在者に公用語やベルギーの文化、歴史などを教える「統合プログラム」が義務づけられている。義務化は北部のフランダース地方で「愛国教育」として始まったものだが、人手不足で労働力を外国人に頼らざるを得ない今、「即戦力」として受け入れるためのシステムとなりつつある。

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 ベルギーの首都ブリュッセルにあるカルチャーセンターの一室。トルコやジョージアなど8カ国から来た12人が、ベルギーの最低賃金や雇用条件などについて、英語で授業を受けていた。ベルギーの各地方政府が新たに長期滞在する外国人に対して課す「統合プログラム」の一コマだ。

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