付属池田小事件の遺族の本郷由美子さん。専門性を高めようと今年、社会福祉士の資格を取得した=2024年5月14日、東京都、吉田耕一郎撮影
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 児童8人が殺害された大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の事件で、長女の優希(ゆき)さん(当時7)を亡くした本郷由美子さん(58)=東京都在住=が、悲嘆を抱えた人を支える「グリーフケア」を広める活動を続けている。8日で事件から23年。娘に誓った「悲しみに寄り添う人」として懸命に前を向いている。

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 「娘が亡くなった後は、色も感じない、音もほとんど聞こえない。五感がマヒしたような感覚でした」

 由美子さんが、事件後の体験を穏やかな口調で語っていく。昨年12月に公開された映画「グリーフケアの時代に~あなたはひとりじゃない~」(中村裕監督)の一場面だ。

 映画には、子どもや配偶者といった大切な人を病気などで失った人たちのほか、精神科医や僧侶らが出演。喪失感と悲しみを抱えながら、人とつながることで少しずつ心の平穏を取り戻していくグリーフケアの過程を語っていく。

 取材依頼を受けた当初、由美子さんは戸惑った。話を聞きたいと中村監督から連絡を受けたのは2022年夏。面識はなかったが、上智大学グリーフケア研究所で学んだ知人から由美子さんの連絡先を聞いたという。研究所は、由美子さんが事件後に学んだ場所だった。

強く印象に残ったエンドロール

 メディアスクラムの経験から…

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